以前ホームページの修復で、ChatGPTに大変助けてもらったことを書きました。
すでにChatGPTに関しては「裏技トップ5」というようなタイトルの記事や書籍も数多く出ています。今回はそうした一般論ではなく、あくまでも「私自身が実際使ってみてわかったこと・感じたこと」を率直に書いてみたいと思います。
☆優れている点
1.とにかくまず速い
・簡単な質問には、すぐに答えが返ってきますし、いくつか細かいデータを添付して送ったとしても、返答に10秒もかかりません。なんという読解力・理解力かと驚きます。
2.多岐にわたる知識を持っている
・たとえばホームページの修復ですが、プロ並みの知識を持っています。
・まず、復旧までにやらなければならない手順、この指示は的確でした。
・そして「これは不正ファイルなので削除して」とか「ここにバックドアが置かれやすいので確認して」とか、ファイルの内容や意味も基本的に全て把握してます。
・また仕事柄、法務・税務・労務などについて問うことも多いのですが、ローカルルールなどを除けば、基礎的知識は十分にあり、論理的に説明してくれます。
3.文章生成力がすごい
・作成した文章の修正はもちろん、「もっと丁寧な口調で」「やや柔らかく」などの要望にも的確に応えて作成してくれます。
・私は、「私らしさ」を出すために最終的には少し手を入れますが、文章を書くのが苦手な方にとっては、非常に心強いツールだと思います。
4.常に前向きでポジティブ
・こちらのことを頭から否定することはせず、優しく勇気づけてくれます。悩み相談をされている方も多いと聞きますね。
☆注意すべき点
1.時々、間違う
・そう。時々間違うんです。これはたとえ前提条件が合っていても、起こります。
・持っている情報量の中で判断して、「白黒をつけたがる」「もっともらしい答えを作ろうとする」という性質から来ているものだそうです。
・たとえば「これは不正ファイルの可能性が高く、削除すべきです」と言われましたが、実際は違ったことがありました。
・また、計算結果などで答えがわかっているが、それを導き出す過程が曖昧な場合などは、無理矢理その結果を導こうとして、間違ったことを言うこともあります。
・ただし、「こう思うんですが、本当にそれで合ってますか?」と聞き直すと、もう一度考えなおします。「結論から申し上げると、あなたの言う通り・・・」と真逆の答えになることもしばしばあります(笑)
・ですから、ちょっとでも心配だったり違和感を覚えた時は、「聞き返す」ことがChatGPTをやる上では非常に重要だと感じています。
・本人も言ってましたが、「間違えない先生」として使うより、「非常に優秀だが経験の浅い部下」として使うのが最も安全で有益です。
2.一旦提案したことは、それをやり遂げようとする
・たとえば、「サーバーのセキュリティを強化するのに、この無料ソフトを入れたらよい」ということをChatGPTが提案してきました。
・しかしサーバーの環境と合わなかったのか、いろんなところをいじくるように指示を受け2時間ほど格闘したのですが、うまくできませんでした。「これで100%原因がわかりました」と言う割には解決しなかったこともしばしばありました。
・しかし結局そのソフトは「入れた方がなお良い」という程度のもので、どうしても必要なものではなかったので、「もうこれはいいので止めていいですか?」と問うと、止めてもいい理由も説明してくれました。
・ですから、なんとしてても提案したことはやろうとしますので、こちらからそういう時は、「これは止めても問題ないか」という問いかけが必要です。
3.励ましはひいき目に聞いておく
・ChatGPTに悩み事やトラブルの相談をした場合、こちらの立場にたって、論理的に状況を整理して、優しく説明し励ましてくれたりします。メンターとしても非常に優秀です。しかし実生活の悩み事やトラブルにおいて、100%自分に非がないというケースは稀です。こちらに都合のいい情報しか伝えていない可能性もあります。励ましはありがたく受け取りつつ、過信せず、にひいき目に聞いておきましょう。
☆コンサルタントとChatGPT
ChatGPTにより、士業と言われる方たちの仕事がなくなるなどと言われています。結論から言えばおそらく、「士業自体はなくならなくとも、事務作業の大半はAIに置き換わる」という時代は間もなく来るでしょう。
では、コンサルタントはどうなのでしょうか。
1.ChatGPTでは不可能な領域
ChatGPTは「情報として公開されていないこと」はわかりません。ここが不可能な領域です。
たとえば、金融機関の事業融資の融資判断基準は、ごく一部を除いて外部に公表されていません。融資判断は、多岐の項目を総合的に見て行われ、仮に同じ財務内容であったとしても融資する場合もそうでない場合もあります。
また、金融機関によってあるいは支店長によって、融資に対するスタンスは異なりますし、積極的に融資しようとしている業種が異なったり、かつ時期によっても、融資に対するスタンスは違ってきます。
そして融資を通すために金融機関担当者が最も欲しい情報は、個別の企業によって異なります。
このようなグレーで人間的な判断軸は、ChatGPTは学習できません。
ここは32年間銀行に在籍し、何千もの融資案件の場数を踏んできた私の強みです。
2.コンサルタント業が残る最大の理由は「実行責任」
ChatGPTに決算書類等を読ませば、ある程度は立派な「事業計画」はすぐに作ります。これらの事務作業部分は士業と同じく、将来AIが取って代わることとなるでしょう。
ただし、方策自体は提示できても、それを遂行させることはChatGPTにはできません。ChatGPTは「正しいこと」「合理的なこと」「筋の通ったこと」は言えますが、「社長が腑に落ちるか」「幹部が本気で動くか」「社員が納得するか」「誰が泥をかぶるか」などの「人が動くかどうか」の部分には介入できません。
コンサルタントの価値は、「正解を出すこと」ではなく、「正解を組織に実装すること」にあります。
これからのAI時代に必要とされるコンサルタントは、机上ではない実務経験があり、組織の修羅場を見てきており、数字と人の両方を扱え、通す・動かすの経験があり、グレーをグレーのまま扱える人材だと、私は確信しております。


