銀行融資が通る会社・通らない会社の違い(第2回) ― 元銀行支店長が実務で徹底解説 ―

2.社長が決算書を理解していますか?

今回から数回にわけて、「決算書」のどこを銀行は見ているのか、ということについて解説していきますが、その前にお伝えしておきたいことがあります。

銀行員時代、決算書の中身について社長に質問した時に、「俺は詳しいことはわからないので、経理に聞いて。」ということが、ありました。

またコンサルタントになってから、ある業界の若手社長や後継者を対象に、「決算書の見方」のセミナーを実施したことがあったのですが、例えば「売掛金」がどういうものなのかも知らない社長も多く、少し驚いたこともありました。

社長にとって決算書は何のためにあるのでしょう?
私の定義としては、「会社の現状を正確に把握し、正しい戦略を練り、会社や社員をより良い方向に導くため」のものです。

したがって「詳しいことは経理の仕事」ではないのです。仕訳や入力や計算は経理が行いますが、どのような内容のものが、どのような過程を経てこの数字が決算書に計上されているのかは、最低限社長が把握しておくべきものなのです。

銀行は決算書の数字だけでなく、社長がその内容を理解しているかどうかも見ています。
説明を求めた際に、「経理に聞かないとわからない」という状態では、銀行は経営管理能力に不安を感じます。

たとえば前期「減益」であった企業。社長は肌感覚で「原材料価格が高騰したため」と言っています。しかし決算書を見れば、原材料費率はその前々期とほぼ変わっておらず、今期の減益要因は販管費の増加であった、原材料価格の上昇はその前の期から収益に影響していた、というケースもあります。そのような社長は正しい戦略を練ることは不可能でしょう。

次回はまず決算書のうち、「貸借対照表」で、銀行はどこを見ているかを解説します。

「貸借対照表」が何を表しているのか?
資産・負債・資本の違いは何なのか?
流動と固定の違いは何なのか?
それぞれの勘定科目は何を表しているのか?

というような、基礎的なことは書面にも限りかあるので割愛して、銀行が見ているポイントを中心に解説していきます。

銀行は決算書をもとに企業を評価し、融資の可否を判断しています。そのため、自社の決算内容を正しく理解することは、資金調達を考える上で非常に重要です。

もし、自社の決算内容について詳しく見て欲しい、後継者の息子にわかりやすく基礎から説明してやって欲しい、などのご要望があれば、「お問い合わせ」ページまたはお電話にて、お気軽にご相談下さい。

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