銀行の裏話・・・というほどのものではないですが、ひとつ紹介しましょう。
独身の頃に通っていたクリーニング屋さんで、置いてあるクリーニング済の商品を見てふと思い、店主に尋ねてみたことがありました。
「クリーニング屋さんって、その人の生活水準だいたいわかりますよね?」
すると店主は「そうなんですよ。どんな服を着ているかでだいたいわかりますし、ブランドものの服を出してくるお客様でも、クリーニングに出してくる頻度によって一張羅かどうかもわかりますからね。」と答えてくれました。
銀行勤務の人間は、その点についてはもっとわかります。そもそも「いくらお金を持っているか」というのが一目瞭然です。もちろん他の金融機関での預金や借入まではわかりませんが、少なくともこれだけの預金があるというのはわかりますから。
さらに家計のメイン口座にしていただいているお客様は、その通帳の動きを見ていればだいたいの生活様式や性格までわかります。
生活様式や性格まで?と思われるかもしれませんが、例えばATMでの引き出しひとつにしても、お客様には「頻繁に数千円単位でお金を出す」「一回でまとまったお金を出す」「毎回提携金融機関やコンビニで引き出していて手数料を払っている」「引き出す時間帯がいつも深夜である」「決まった店舗で出金している」「複数の店舗で出金している」といったような特徴があります。銀行員はどこのATMを何時に利用しているか、調べればすぐにわかります。
これらを総合して見て、「このお客様は、外回りの仕事をして、夜遊びもよくされているようだ。」ということが推測出来ることがあります。
また例えば「クレジットカードの引き落とし額が異様に多い」「物販系のカードをよく利用されている」「携帯電話代が高い」「保険料が高い」「口座からの振込、振替が多い」「個人からの振込が頻繁にある」「保育料の支払があり、自動手当が振り込まれている」「毎月口座振替で積立預金に貯蓄をされている」「給料日前になると預金残高が毎月数十円になる」などが通帳の動きからわかります。
どうでしょうか?このお客様が何人家族で、どのような生活をしてどのような性格なのか、これらの情報だけでもかなりわかると思いませんか?
これらの情報は、私は銀行員時代、住宅ローンなどの融資判断の材料としていました。
少し話は変わりますが、今、Googleなどで何か検索すると、いきなりそれに関する広告がバンバン入ってくることがありますよね。「いかに必要な人にタイムリーに広告を打つか」ということが商売においては重要な時代になってきています。
企業やいろんな人が銀行の情報を欲しがったり銀行業に参入したがるのも、こういうのが大きな理由なのでしょう。
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