10銀行の融資判断基準(経営者)~銀行が評価する社長の仕事への姿勢とは~
前回は、社長の銀行取引に対する姿勢について、銀行がどのように評価するかを解説しました。
銀行融資の審査では、決算書だけでなく、経営者の日頃の仕事姿勢も重要な評価対象になります。
今回は、社長が仕事に対して取り組む姿勢について、銀行がどこをどう見て評価しているのかということについて解説していきたいと思います。今回も実際に銀行現場で融資実務をしていた立場から、一般にはあまり語られないことも含めて、実務ベースで解説したいと思います。
銀行は、社長の仕事ぶりや行動を逐一見ているわけではありません。
では、どういうところを見て、どう判断しているのでしょうか。
実はちょっと意外な視点の部分を、いくつか紹介します。
1.社員の対外的対応
例えば訪問した時に、社員が元気に挨拶してくれる、工場見学をした時に、社員が手を止め起立して安全帽を取って挨拶してくれる、などです。
銀行員は様々な業種のたくさんの会社に訪問します。相対的な比較は簡単にできます。
一見すると小さなことに思えるかもしれませんが、銀行はこうした点もよく見ています。
礼儀正しい対応ができるということは、銀行だけではなく、「この会社は、取引先を大事にしている」ということの表れです。
そういった社員教育をしっかりしている社長を、銀行は高く評価します。
2.会社の清掃が行き届いているか
例えば、工場内に乱雑に部品や材料が置かれていたりした場合、これで十分な品質が確保でき、効率的な作業ができるのか、銀行は不安になります。
また、銀行員はお手洗いを借りることがあります。わざと借りることもあります。来客用でない社員用のお手洗いが綺麗に清掃できているか、確認するためです。
社内環境の整備がしっかりできている社長を、銀行は高く評価します。
3.業界の知識が豊富か
自社が行っている部分のことだけでなく、業界の全体的な知識が豊富かどうかを重視します。
銀行は「この社長は自社や業界の将来をどこまで理解しているか」を見ています。
これは、たとえ現場実務を行っていなくとも、実務を知っているかということと、業界の変化に対応できるか、ということを見るためです。
4.本業以外の役職をたくさんしていないか
「〇〇組合会長」や「〇〇会理事」などの肩書をたくさん持っている社長がいます。
そのため会合や飲み会に出席したり、頻繁にゴルフに行ったりして、ほとんど社内に社長がいない、という会社もあります。
昔はそういう団体の役職は名誉職として評価していた時代もありましたが、今はもうそんなこともなくなっているのが実情です。
社長が社内におらずとも、しっかり実務遂行をできるスタッフがいる会社ならばまだいいですが、あまり多くの役職をしていると、本業に対する取り組みを銀行は懸念します。
5.接待交際費
損益計算書における販管費の中で、この数字を銀行は実はよく見ています。
例えば年商が2億円規模の会社で、毎年1,200万円程度の接待交際費がある会社がありました。毎月100万円の出費で、常識的な会食等の範囲を超えています。
「会社の利益よりも、自身の楽しみを優先しているのではないか」と銀行は見ます。
今回の説明はここまでです。次回は「⑪銀行の融資判断基準(将来性)~銀行は会社の未来をどう見ているのか~」を解説いたします。








