今回は前回のブログに引き続き、信用保証協会について解説していきます。
1.保証協会利用のデメリット・メリット
(1)デメリット
・先にデメリットから言うと、「保証料が必要」、ほぼこれだけです。
・利用する制度により、一律の保証料の場合もありますが、一般保証の場合は企業の財務内容により、9段階程度に区分され、保証料が決定されます。
・つまり、財務内容が悪い企業はそれだけ返済不能になるリスクが高いので、その分保証料も高くなるということです。最大で1.9%程度になります。銀行の貸出利息以外で別で支払わなければならないのですから、1.9%ともなれば負担は大きいですよね。
・ただし財務内容が改善すれば保証料率も下がるため、利益を出し自己資本を厚くすることは、資金調達コストの低下にもつながります。
・基本的には保証協会融資だからといって、別に作成負担の大きい資料が必要などということも原則ありません。
・注意しなければならない点としては、無担保保証はいくらまでが限度というような一企業あたりの「保証枠」があります。なお、社長が一緒の別会社というようなグループ企業は、同一企業とみなされて、合算で保証枠が判断されることが多いです。
(2)メリット
・過去のブログでも書いている通り、銀行のプロパー融資よりも融資が受けられやすいのが特長です。
・創業間もない会社や、担保や実績が不足している会社では、銀行のプロパー融資を受けるのは難しくても、保証協会融資なら比較的融資を受けやすいのが実情です。
・保証料がかかる分、原則はプロパー融資の方が有利な条件で借りられるのですが、上手く制度融資を利用すると、プロパー融資よりも良い条件で借りられるケースもあります。
・制度融資とは、「都道府県や市町村が保証協会や銀行等と連携して実施する融資制度」です。
・そのような趣旨の制度なので、条件に合致すれば例えば「7年固定金利、1.5%」というような保証料を加味しても良い条件のものがある時があります。
・また加えて「地方自治体の利子補給制度」を利用できる制度融資もあります。例えば先ほどのケースで「市が年1.0%の支払利息補助をする」となると、出来上がり0.5%の金利で借りれるということになります。
2.融資を受ける時に注意すべきこと
(1)必要以上に借り過ぎない
・コロナ融資が流行っていた時に、セーフティネット保証のコロナ融資がありました。銀行から「とりあえず8000万円借りておかれては?」と言われ、先が見通せない状況でもあったから、必要以上に借りた企業もあったかと思います。
・そのまま不測の事態に備えて現金で持っていた企業はいいのですが、手元に金があると使ってしまうのが社長の性です。浪費ではなくとも新事業を模索して使って上手くいかなかったというケースも多かったと思います。
・そしていざ返済が始まると、年間1000万円以上の元金返済が発生してきます。とうてい返済できないという企業も多く発生しました。
・やはり融資を受ける時の基本は、「何にいくら必要なので、いくら借りる」ということを明確にしておくべきです。
(2)申請した資金使途通りにつかう
・これは実は多くの社長が軽視している部分です。「一旦借りた金は何に使おうが俺の勝手だ。金に色はついていないからわからないだろう。」と思っている社長は多いです。
・保証協会融資に限らず銀行融資全般に当てはまることなのですが、「これに使うので融資して下さい」という元々銀行に申請していた「資金使途」以外に融資で借りた金を使うのは、銀行との約束を反故にしているのと同じです。約束を守らない人と今後付き合うでしょうか?
・特に保証協会は「資金使途違反」には厳しく対処します。例えば設備資金として融資したのに、実際には設備は導入せず運転資金に流用した場合などは、その融資の全額一括返済を要求されたり、新たな保証協会融資が受けられなくなったりします。
3.信用保証協会が使えない企業
(1)許認可事業
・行っている業種によっては、許認可がなければ出来ない事業があります。
・銀行融資も同様なのですが、特に信用保証協会融資は必要な許認可があるかを確認し、なければ保証を受けられません。これは公共的な役割を担う法人として徹底している点です。
(2)求償債務
・あまりないケースなのですが、代表者や前代表者、あるいは関係者に信用保証協会に対して求償債務が残っている場合は、保証を受けることが出来ません。
・求償債務が残っている場合とは、信用保証協会に対して支払うべき債務が残っている場合、つまり過去に代表者等が経営していた会社が返済不能になり、信用保証協会が代位弁済したが、その返済が信用保証協会に対してなされていない場合、ということです。
・よくあるケースが、そのような代表者では銀行等からの融資が受けれないので、妻を代表者としているが、実態は夫が経営している、というケースです。
・また代表者等が違っても、過去に求償債務のある企業から事業譲渡を受けたような会社も保証を受けられないケースが多いです。
・信用保証協会は、そのあたりは事前によく調査をします。「損失を受けた分も返してもらっていないのに、新たに保証人になることはできない」、という考え方によるものと思われます。
・厄介なのは、それらの事情がある場合は、保証が受けられない理由を銀行もはっきりと言ってくれません。「信用保証協会の保証が受けられませんでした。理由は先方の判断なのでわかりません。」と言うだけです。どれだけ現在の企業内容が良くても関係なく保証してもらえません。
保証協会は「借りやすい制度」ですが、「返さなくてもいい制度」ではありません。保証協会が保証人になっても、返済義務は最後まで企業にあります。制度を正しく理解し、自社に合った資金調達を考えていただければと思います。
今回はここまでです。次回は「日本政策金融公庫・商工中金について」というテーマで解説したいと思います。








